ソフトバンク、帯広に参上

 ばんえい競馬の経営参画が決定したソフトバンク、さっそく帯広競馬場に乗り込んできました。

 とりあえず、場内に携帯電話の申し込みブースやら展示コーナーやらを設けて、その他よろしきところに「SOFTBANK」のロゴ入りビルボードをしつらえ、白いジャンパー羽織った係員が十人ばかり動き回ってました。

「とりあえずできることは携帯の勧誘くらい、ってことでしょうかね。実際、今の主催者である組合を年度末に解散することが昨日、旭川で行われた会議で正式に決まったわけで、四月以降どういう体制で競馬をやるのか、そこにソフトバンクがどう関わるのか、などやるべきことは山積なんですが、そのあたりはまだ具体的には見えてません」(地元で貼りつくカマドウマ8号)

 土日月がばんえいの開催日程。なんだかんだでニュースになっていたこともあって、昨日までの三日間の売り上げはいつもより多めの、一日平均で九千万から一億くらい。人出も増えて、まずはいい傾向ではありますが、今後ほんとにどういう競馬になるのかについては現状、まだ暗中模索です。

「昨日、旭川で帯広、北見、旭川岩見沢の現在の主催四市の市長が話し合ったわけですが、累積赤字の始末をどうするかも保留、さらに組合を解散するんですからその段階での補償金というか、退職金なども積まねばならないのに、そのへんの分担も決まらず、とにかく先送り、って姿勢がミエミエでしたね」

 ただ、旭川市あたりがここにきて一転、水面下で何らかの支援を、みたいなことを言い始めてたり、帯広単独開催でソフトバンクが入ってきて万一来年度黒字にでもなったら、ババを引くのは「廃止」を推進した残り三市ということになるわけで、市長としてもそのあたりは保険をかけときたいんだろう、という観測がもっぱら。三月を待たずに年度途中で打ち切りの可能性もあったのが、ひとまず年度末までは現在の組合できっちりやる、という表明をしたのは一歩前進ではありますが。

 一方で、旭川の農政課あたりは調騎会の幹部を一本釣りしようとして、「補償」問題の下ごしらえを始めている様子。そんなもの、もう相手にもされてないんですが、廃止が決まった競馬場の調騎会幹部は家が建つ、と、少し前まで平然と言われていた地方競馬の世界、ボスにアメをしゃぶらせて何とかうまいこともってゆこう、というイナカの役人政治の手口だけは未だ健在、のようです。

競馬法改正が来年春の国会めざして進んでますけど、農水省はとにかくJRAさえあればいいわけで、地方競馬は全部切り捨て、やりたければ勝手にやれば、という姿勢です。で、向こう二、三年このままグダグダを続けて廃止になる競馬場がもう少し出てきたところで、おためごかしにJRAの馬券を地方でも売らせてあげましょうか、と言い出すシナリオでしょう。もっとも、その間肝心のJRA自体がもっと傾く可能性があるわけですが、そのへんは農水省競馬監督課はよくわかってないみたいです」(霞ヶ関周辺で取材する週刊誌記者)

 今週、20日に競馬議連の会合があり、その後22日には農水省から全国の地方競馬の主催者に全員集合の大号令がかかっている由。来年の法改正を見据えた地方競馬改革の大方針を明らかに、というわけですが、さてその中身はというと……

「はっきり言って目新しいものは何も出ませんよ。農水省のホンネは、特殊法人改革の帳尻あわせで、地全協(NAR)を人身御供にしますからJRAはお目こぼしを、ということだけですから。来年の法改正にしてもそれ以上踏み込んだ文言は絶対に書き込むまい、というのが農水省の姿勢です。あとは政治家の側がどこまで剛腕をふるえるか、ということでしょうねえ」(前出、週刊誌記者)

 おりから、大井以下の南関東四場が、外国で出走した現役競走馬の受け入れを許容する、という姿勢を打ち出してきています。明らかにダーレージャパン(ドバイのオイルダラーを背景にした、言わば競馬ファンド)が背景にいて揺さぶりをかけてきているわけで、うがった見方をすれば、一連の地方競馬改革の流れの中で、親方の農水省が全くアテにならないと踏んだ大井以下南関東四場が、新たなダンナとして「外資」を選び始めている、ということでもありそうです。

競馬法改正から一連の地方競馬構造改革のことは、とにかくマスコミは何も書かないですからね。別にタブーってわけでもなくて、単に知らないんですよ(苦笑)。名刺持ってる競馬記者は単なる予想屋がほとんどで、とにかくJRAには逆らえない。それはもう、記者クラブなんてナマやさしいもんじゃなくて、ほとんどタイコ持ち。とにかくひどいです。もちろん地方競馬なんか眼中にないし、当のJRAの職員自体、『地方のウマ? コスモバルクアジュディミツオー以外、うちで通用するのいないでしょ』くらいのハナシですから。馬産地にとって馬の行く先の半分は地方競馬ですし、JRAの馬だって流通してゆく先は地方競馬なんですけど、そんなの今のJRAのバカ職員には見えてないんでしょうね」(ある競馬ライター)

 

 

●編集後記

携帯市場参入で物議を醸しているソフトバンク@朝鮮ハゲ、ですが、経産省に食い込んでいるからこそなのは明らか。でもって、競馬に手を出しているのはここで触れてきた通りで、これは農水省マター。その他、ウェブ上の大学を認可させたり、JR東日本のスイカと携帯を優先的に連携させたり、と、文科省だの国土交通省などとも何やらつながりが深くないとできない芸当を次々と、というのは、実にフシギです。

永田町のウスバカゲロウ2号が言ってました。

 

「ひとつの省庁に食い込んでるのなら族議員とつながりが、とかわかるんだけど、まんべんなくどの省庁とも、っていうのはフツウじゃないっす。議員とか政治家とかじゃなく、もっと上とのつながりがあるとしか思えないっす」 

 

その「もっと上」って何よ、と尋ねると、声をひそめて「……そ、そりゃあ、●●な稼業とか、●●系のカネがらみってことじゃないですか」とも。「だって、邪魔する奴は全部消えてってるじゃないですか、ラ●ブド●にしても村●にしても。次は当然……」 とそこまで言ったところでいきなり携帯が切れました。以後、連絡がつきません……(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル