自民党はふたつある


 自民党にはふたつある、というのが、改めてよおくわかりました。小泉以降の自民党、と、昔ながらの自民党。例の「復党」騒動や、道路特定財源一般財源化の議論を岡目八目で拝見していて、です。

 世論は明らかに、「復党」はダメ、というのが大勢で、道路族の利権の源泉である道路特定財源の問題も同様。それらは裏返しに言えば、安倍内閣に対する信任も、もとの小泉内閣への信頼感が土台になっていることの証明だったわけですが、そのへんのいまどきの「民意」の機微をないがしろにしたまま「復党」をゴリ押しし、道路利権を死守しようとする昔ながらの体質のままの人たちが、いまの自民党の中に未だおおっぴらに巣食っていることを、いや、とてもわかりやすく思い知らせていただきました。そして、そんな体質にやっぱり迎合しちまうんだよなあ、安倍総理、がっかりだよ! と。

 小泉元首相は、自民党をぶっこわす、と言い、確かにその通り、古い保守自民党の構造を相当ぶっこわした。少なくともそれまで誰もやれなかったことをやった。なにせ野中も亀井もチャイナスクールも道路族も郵政族も軒並み失脚、ないしは権威失墜。ああ、そういう種類の悪人、売国奴ってのがやっぱりいたんだ、ということを満天下にさらして見せてくれたわけで、「戦後」の構造の下でのそれら「売国」沙汰をあぶり出した功績ははかりしれない。旧態依然の「オヤジ」政党、「地方」の既得権益固執して腐ってゆく古い自民党への不信感は、拉致問題に憤り、改憲になびくいまどきの「右傾化」の表層の下に、相当根深く募っています。真に味方につけるべきは安倍さん、その不信感ですよ