ソフトバンクの野望(笑)@地方競馬 

 あな珍しや、雷太@サイバッチ大本営、が、ばんえいネタを続けてもいい、なんて言ってるのでもう少し。

 帯広市による単独開催を検討、と市議会で市長が示唆して、「廃止」確定と言われていたばんえい競馬、土壇場で持ちこたえられる見通しになったわけですが、ただ、その後も細かなボタンのかけ違いは続いています。

 まず、砂川帯広市長が「民間企業からの支援も期待できる話もあるので……」と、単独開催を決断するきっかけについて思わせぶりに言ったわりには、その企業の具体名がなかなか出てこず、地元市議会でも「なんで言えないんだ!」とかなりモメてました。もちろん水面下じゃソフトバンクの名前はささやかれてたんですが、帯広市側としても具体的な参入のプランが示されない前に実名を出すわけにもゆかず、ということで、地元じゃ事実上の箝口令が。

「なのに、それを『北海道新聞』がフライングして「ソフトバンクが支援の可能性」と先にやっちゃったんで、帯広市側はブンむくれで、どこから漏れたんだ、と犯人捜しまで始まる始末。一説には、役人仕事に業を煮やしてソフトバンク側からリークした、という話もありますが、ほんとのところは藪の中でグダグダです」(地元で取材にあたるカマドウマ8号)

 週明けの時点で、オッズパーク筋も「今週中くらいをメドに具体的にどういう形で参入するのか、などについて明らかにしなければならないでしょうね」と言っている由。民間企業として競馬の運営に参加と言っても具体的に何をするのか、また、どれくらいの金額をどう出すのか、など、はっきりさせなければならない課題は山積しています。

 ソフトバンク地方競馬事業に手出しているのは、具体的には、まずオッズパーク。馬券をネット販売するためのポータルサイト
http://www.oddspark.com/top/
地方競馬場でのレースの動画配信を無料でやって、会員になれば馬券もネットで買える、というわけですが、ただ、現状では、使いにくい、不便だ、と評判はあまりよろしくない。

 これは、もともとd−netというシステムで、農水省天下り先の地方競馬全国協会がやっていたものなんですが、例によって役人の商法でにっちもさっちもいかなくなってたのを、向こうから泣きつかれて二束三文で買い取ったものです。現状、地方競馬の馬券のネット販売は、大井以下南関東の四場がやっているSPAT4とこのオッズパークの二系列で、そのへんがまたややこしいんですが、このふたつを比べると売り上げからは現状、大井のナイターなどを擁するSPAT4の圧勝。今後もこのままではオッズパークの売り上げはそう伸びるはずもなく、実際、回線が細いのか、つながりにくい、といったレベルの苦情も多い。まあ、それだけカネも人手もロクに投入していない、ってことなんでしょうが、「あまり情けない状態なんで、なんだ、これじゃライブドアと同じじゃないか、なんて声もありますよ」(ある競馬ライター)

 また、競馬場の運営に参加と言っても、現行の競馬法の枠組みで間違いなくできそうなのは、馬券の委託販売くらいまで。本当は番組の編成や日程などまで関わりたいはずだけれども、そこから先については、農水省のコントロールがどこまでゆるめられるか、にかかっている。

農水省としては、来年に予定されている第二次の法改正の動きをにらみながら、地方競馬民営化の雛型として具体化させてゆく、という思惑なんじゃないですか。だから、今の時点でソフトバンク側にそうそう全面的に委ねて好き勝手させるつもりもなさそうで、そのへんの線引きについても現在、熾烈なかけひきが行われているようです」(霞ヶ関で取材にあたる全国紙記者)

 そんな中、こんな噂まで一部では出始めている。

「もしも今回、ばんえい競馬の馬券の委託販売が予想以上に大幅に認められそうになったとしたら、オッズパークばんえい以外の他の地方競馬を切り捨てる可能性もあるんじゃないか、というんですよ。つまり、もとのd−netのままの現行システムだと、ドル箱の南関東以外しかコンテンツがないわけで、それなら確実に稼げる場としてばんえいならばんえいがひとつ確定すれば、それ以外はいらない、になりかねない。ソフトバンクの企業体質からしても、あり得ない話じゃないですねえ」(カマドウマ8号)

 ソフトバンクとしては、将来的にJRAの馬券まで売れる可能性があるゆえの先行投資、言わば「権利取り」のツバつけとして地方競馬に参入した、というのが大方の見方。だとすれば、なるほどばんえいだけを確保できれば「権利取り」はできる。カネや人を投入しても今後それほど伸びの見込めない他の地方競馬に魅力はない、と考えても不思議はない。

「そうなったら、ソフトバンク参入に期待している他の競馬場に一気に「廃止」スパイラル、ドミノ倒しが再び始まりますよ。実際、法改正をにらんで来年度はとりあえずの「お試し」開催で様子見している競馬場がほとんどなわけで、むしろこのところのソフトバンクの動き方いかんで、そんな他の競馬場に引導を渡すことにもなりかねません」(ある地方競馬の主催者職員)

 いずれにせよ、ソフトバンクが実際に表に出てきてどういう「支援」なり「参画」なりを表明するのか、それらを含めてどのような新しい枠組みになるのか。あさって帯広市議会の最終日を境にして、今週末から来週にかけて、ばんえい競馬をめぐる状況は、まだまだギリギリのせめぎあいが続きそうです。

●編集後記
裏ガネ問題が発覚、その後全国の自治体のグダグダぶりが芋づる式に発覚する出発点になった岐阜県ですが、あの裏ガネの一部は間違いなく笠松競馬のアガリから、というのは、以前も触れましたが、ここにきてまた、その裏ガネがらみでいろいろ新たな情報も出始めています。
まず、昨年の春、軽トラック数台分を競馬場から運び出したと言われる裏ガネ関連資料に、まだ残っている書類が競馬場内で発見された、という話。もうひとつは、某場外馬券発売所の上を通る送電線の使用料数千万円分が過去十年ほどにわたって行方不明、という話。そう言えば、現在の競馬場の幹部のひとりは、自他共に許す知事の飼い犬、だそうで。裏ガネ問題の幕引きと競馬場の「始末」とを共にコントロールするミッションを帯びている、と考えるのが自然でしょう。