新たな首長たちへの期待値

 橋下徹大阪府に東国原“そのまんま東”の宮崎県、さらに河村たかし名古屋市森田健作の千葉県まで新たに名を連ねました。このところ何かと注目を集める、新しい自治体首長たち。元の肩書きが何であれ、いずれメディア露出の多かった人たちですから、やれ「タレント首長」だ、ポピュリズムだ、と例によってくさされてもいますが、でも、そんなくくり方じゃ背後の「民意」を見誤る。要は、シロウト風味のプロに期待するしかない、それくらい既存の「政治」はもう役立たず、どうせ役人にいいようにされるだけで信用できん、という気分がこの列島いっぱい充満してきている結果でしょう。

 ですから、シロウト目線のわかりやすさで即断即決、ビシバシやれ、になる。まともな話し合いや議論とやらで手続き踏んでたんじゃ、こんな世の中金輪際変わってくれるわけない、という、閉塞感の裏返しのやけっぱちなあきらめ気分。橋下知事も河村市長も、多少無茶をやらかしても、まだ地元の大方がちゃんと支持しているのは、そんな「世直し」気分の期待値がいまや予想以上に高くなっているということです。

 行政の無駄、税金の垂れ流しはどんどん蛇口を閉めて、天下りや身内びいきの類もまず一掃、そんな快刀乱麻のわかりやすさを身をもって示すことこそがいま、「政治」にとっては何よりも正義、です。外国人や留学生にバラまくカネがあるなら、いまはまず日本のために、われら日本人の利益になるような使い方をしてくれ、という声なき声が、まず彼ら新しい自治体首長に、そしてもちろんその先の国政にも、抜き身で突きつけられています。