2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

政治の自意識を問う選挙

*1 ようやく、今回の衆院戦の隠しテーマが見えてきた。政策論争? 政権交代? いやいや、そんなもんじゃない。戦後六十年、ニッポン政治の自意識こそがいま、問われているのだ。 たとえば、インターネット上では、かの綿貫サンは大人気。国民新党が四コママ…

産経新聞 断

地方騎手の悲哀について

内田利雄騎手が、頑張っています。 もうご存じの方もいらっしゃるでしょう。三月に廃止になった宇都宮競馬場所属だった3000勝騎手。服色から「ピンクの勝負師」と呼ばれ、競馬場の外でも自らバンドを率いてライブをやり、果てはCDまで出したり、と、いわゆ…

解説・田澤拓也『虚人 寺山修司伝』

大学に入って二日め、とある芝居のサークルにまぎれこんだ。アトリエ、と気取った名前で呼ばれていた掘っ建て小屋の暗がりから、ねずみ色した重い鉄の扉をあけて出てきたのは、分厚いポックリにベルボトムのパンツ、センター分けの長髪を肩口から上腕くらい…

嫌韓流、を知ってますか?

マンガ嫌韓流 作者:車輪, 山野 晋遊舎 Amazon 『嫌韓流』という本が、この夏、ベストセラーになりつつあります。 いわゆるマンガ本、ですが、週刊誌などにいったん連載されたものをまとめて単行本にした通常のコミック本という形ではなく、描きおろしの新刊…

「戦後」に引導を渡す衆院選

つくづく、政治はおもしろい。難しい話は抜きにして、素朴に、見世物としておもしろい。 言い方が不謹慎だと感じられる向きがあったなら、ひとまずご容赦あれ。けれども、これは露悪趣味でも韜晦でもない。当測候所が認識している真実である。いやさ、そこま…

世に遠い、ひとつの競馬場

アラブ競馬最後の聖地、福山の挑戦 世に遠いひとつの村――これはかつて、柳田国男が佐渡島の端っこにある小さな村、北小浦というところを評して言ったもの言いだった。うつろいゆく世の中のあれこれとはひとまずかけ離れた、もうずっと昔からこうであったよう…

選挙に行こう

なにごとも本気が一番である。だから、いま、小泉総理は最高におもしろい。本気だからだ。身体を張って、政治生命を賭けて、ガチンコの鏝喧嘩(けんか)を仕掛けてきているからだ。少なくとも、世の大方はそう見ている。見ているからこそ今回、ことの鏝顛末…

JRA標準でない、小さな競馬を

猛暑が続いています。地方の小さな競馬場もそれぞれ、夏場の生き残り策に必死になっています。たとえば、薄暮開催の広がりなどは今年の特徴。JRAも昨年から函館で始めていましたが、ただ、平日開催が中心の地方競馬の場合、薄暮だけでいきなり売り上げが…

無法松、あすなひろしの無意識をうっかりと引きずり出すこと

いや、のけぞった。めまいがした。そうか、そういうことだったのか、やっぱり、と、膝を何度も叩きまくった。 今回、あすなひろし公式サイトを管理する高橋徹さんに、この解説を書くための資料として送ってもらったコピーで初めて読んだのだが、あすなひろし…

靖国、というアポリア

戦後六十年、である。それは人間ならば還暦、亡くなった人をしのぶことのできる人すらこの世からほぼいなくなってしまうくらいの時間なわけで、その程度に「戦後」もまた歴史に繰り込まれてゆく。 民俗学の教えるところによれば、人は死んだ後、一定の時間が…