2005年 衆院選アフターマス

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 投票率67%。二十代から三十代の自民党支持率が軒並み30%以上、調査によっては40%という数字も出ていた。そして、首都圏を始めとした大都市部での自民党ほぼ独占状態。小選挙区制のなせるわざ、とは言え、その小選挙区の導入を推進したのは、今は民主党にいる小沢一郎だったのだが。

 日本版9.11、小泉自民党の歴史的圧勝という衆院選の結果は、単に政治的な地図を塗り替えただけでなく、大方の予想を超えてさらに多くのものを、選挙が終わった後にあぶり出すことになった。時代が変わる、とはこういうことなのか。こういう変わり方、を目の当たりにするのがわれわれの時代なのか。そうなのか。

すいません。ついムシャクシャして自民党を勝たせてしまいました。

小泉圧勝、何も知らない小泉チルドレンども、これほど官僚に利用しやすい体制もない。

これで財務官僚の力が強まり、強引な増税をごりごりやりだす。

いよいよ日本国民への強権圧政が始まる。 日本はもう滅びるわ。

入れる党がなくて一番ましそうな自民党に入れた愚民と、

入れる党がなくて自民党以外ならいいやと他党に入れた愚民と、

あのマニフェストを見ながらも民主党に入れた愚民と、

大(ryのために公明党に入れた愚民と、

日本人は愚民だらけだな。

ごめんなさい。愚民でごめんなさい。 ちゃんと、各党の公約みて投票したんだけど、 朝日様の思惑と違ってしまってごめんなさい。

若者は選挙に行けとしつこく言ったのは誰かしら。

 もう十年以上前、あの悪夢のような細川内閣の頃だったか。いつの日か、何のまえぶれもなく投票率がピン、とはね上がる時がくるような気がする、という話を同僚とした。それも若い世代の投票率が。

 そんなバカな、おまえはまたそういう夢みたいなことを言う――同僚はいつものように笑い飛ばした。政治への無関心は大衆社会の属性だ、それに若者がむやみに政治的になるのはいい時代じゃない、おまえだってそういう季節を過ごしてきた世代がうっとうしくてしょうがないんじゃなかったのか。

 特に根拠があるわけではなかった。政治なんてバカなお調子ものか、権力欲旺盛な俗物のやること、投票に出かけたところでいまの政治が変わるとは思えなかったし、それで特に日常に不都合が生じるわけでもなさそうだった。バブル経済の崩壊はすでに現実のものになっていたけれども、日本はまだおおむね好調に見えたし、明日すぐに何かたいへんなことが起こるようにも思えなかった。

 ある日突然、人々が覚醒する、新しい日本が一夜にして現われる――そんな当時まだありがちだったニュータイプ系の想像力だったとも言える。一方で、劇場型の民主主義、といったことも一部で言われ始めていた。もしかしたら政治そのものの意味が時代ごと変わり始めている、その気配を微妙に感じ取ってのことだったのではないか、と今、ふりかえって思っている。

 そしてそれから十年あまり、今回の選挙の結果をどうとらえたらいいのか。マスコミ以下、評論家や学者など名前を出して世の中に講釈を垂れたがる向きも含めて、その解釈は混乱をきわめている。もともと衆院解散以降、さあ、政権交代だ、民主党政権が誕生する、と舞い上がったのに始まり、選挙戦の間は、小泉劇場による独裁だ、強権政治だ、大切なのは郵政民営化ではない、などなど、あらゆる手で与党叩き、お家芸の「権力批判」ぶりを繰り出し続けた結果が、その思惑とことごとく正反対。その衝撃はこちらが思っている以上に深刻らしい。

 こんな選択をしたおまえら有権者はバカだ、ああ、なんて愚かな国民なんだ、小泉翼賛で白紙委任の四年間になるんだぞ、好き勝手に増税されて生活苦、アジア諸国からは総スカンを食らって、さあ、いよいよ戦争への道が始まるぞ、知らないぞ、もうほんとに知らないぞったら知らないぞ。

 自民党に押し寄せた「変革願望」の波。「こんなにバカな国民が多かったのか」という驚きの声が、ネット上を飛び交っています。 「バカな国民」とは穏やかではありませんが、今回の総選挙で自民党の圧勝を作り出した人々のことです。

 

 比例区で比較してみましょう。前回93年総選挙の投票総数は5910万票、今回は6781万票ですから、今回新たに投票した人は871万人になります。この人たちが、投票率を6.66ポイント押し上げたわけです。 

 

 この新たに投票した人のうち、324万人が新党に入れたと考えれば、残りは445万票です。これに民主党が今回減らした分、106万票を加えて、公明、共産、社民の微増分を減らせば、自民党の増加分523万票となります。 

 

 これが、今回新たに自民党に投じられ、圧勝を作り出した「バカな国民」の数です。523万という数字は、このような劇的な結果を生み出した要因として、多いのでしょうか、少ないのでしょうか。 http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.html

 新聞に載っている評論家のコメントは、如何にも一般国民がうわべだけしか見ていない愚民ばかりで、 それに危機感を持っている俺達は真実が分かっている優秀な人間だと言わんばかりで辟易するよ。 民主支持者ってそんな感じ。選民思想がにじんでいる。

 即日解散から数日、マスコミは評論家もアナウンサーも「民主党が漁夫の利を得る」と言ってたけど、的外れもいいところだったよ。

 俺自身を含め大衆ってのは確かにバカだと思うよ。実際、あの土井たか子率いる旧社会党が「マドンナ旋風」とかいって一世風靡したこともあったんだからw

(あの時狂喜のバカ騒ぎした連中はどの面下げて小泉の女候補作戦を批判してんだよ)

 でもさあ、あの時も、なんであんなバカな党が勝ったかというと、やはり自民に対する不信や失望と「新しい社会党」に対する期待がでかかったと思う。結局社会党は予想以上のクソでしかも何も変わらなかったけど、それで選挙民を批判するのは筋違いのような気がする。インチキ知識人やマスゴミは(サヨク・保守問わず)小泉や選挙民をバカにする前に、逆に国民が何を望んでいるかを冷静に分析しろ。

 信じられないことだが、比較的穏当な報道をしていたのが、かの隣の国の新聞だったりした。少なくとも、状況認識は間違っていない。それほどまでに、国内のマスコミは軒並み錯乱していた。

 小泉政権は発足以来、世界が‘日本発世界恐慌の雷管’になるのではと心配した天文学的規模の不良債権問題を、一部の批判を省みず一貫した政策を推し進めて解決した。このような自民党の勝利は自民党が数十年間口では改革を叫びながらも、政権の支持基盤を揺るがしかねない、という党内の批判に押され、手をつけられなかった郵政民営化の決断に国民が高く評価した結果だ。

 

 郵政民営化とは、2万4000余の郵便局と360兆円の郵便貯金保有する巨大な日本郵政公社(郵便局)を2007年まで民営化し、保険と郵便貯金を完全に民間に渡し民間金融を活性化させるものだ。

 

 日本郵政公社の民営化は、伝統的に自民党の最大の票田と資金源としての役割を果たしてきた郵便局(職員28万名)組織の解体を意味する。党内の有力派閥は、自民党の政権基盤を自民党自らつぶす自害行為である攻撃し、必死の抵抗を繰り広げてきた。

 

 効率を無視した経営にしがみついてきた労組と関連業界は既得権保護のため小泉批判に加勢した。

 

 日本の有権者は、このような状況の中で世界との競争で日本が生き残れる道は自民党と強硬な労組の擁護ではなく放棄であると判断し、小泉支持に回った。小泉政権は発足以来、外交政策において靖国神社参拝や歴史教科書歪曲に見られるアジア軽視、平和憲法の改定推進などの右傾化路線が周辺国の不信を買ってきた。 》

http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/09/12/20050912000019.html

 もうひとつ、インターネットというメディアが関わる世論、時代の空気というものがあるとして、それが選挙を介して政治の水準にも有意な変化をもたらすように見えるようになったのも、これまでにない大きな変化だった。そう思っていない、思いたくない者もまだかなりいるようだが。

ネットでも自民が圧勝 支持ブログ、民主の2倍 - 共同通信

 

 インターネットのブログ(日記風サイト)に書かれた衆院選関連の記事のうち、自民党を明確に支持する内容の書き込みが、民主党支持の2倍以上だったことが、ブログ検索のテクノラティジャパン(東京)の調査で16日分かった。

 

 賛否両方を含んだ単純な記事数でも自民党民主党より約4割多く、歴史的勝利を収めた自民はネット上でも「圧勝」していた。ブログ利用者の中心は20-30代の若い世代で、若者の自民人気をうかがわせる結果となった。

 

 公示日から投票前日まで国内約80万のブログから選挙関連記事を収集、内容をコンピューターで細かく解析した。

 

 その結果、「自民党」を主語にして「投票する」「賛成する」などと書いた、明確な自民支持の記事が470件だった。民主支持のものは214件にとどまった。

[ 2005年9月16日17時7分 ]

 今回、投票率を押し上げ、自民圧勝の原動力となった二十代、三十代というのは、確かにネット住民の中核と一致する。それは既存のメディア、いわゆるマスコミとその周辺によって形成されている表舞台の常識に対する違和感、不信感を共有している。一見、右傾化やナショナリズムの台頭、という現象が見てとれるにせよ、その背後にあるのはそのようなタテマエ、あらかじめ仕組まれているように見える世界の成り立ちに対する確かな疑い、である。

 新聞は国内発行だけで世界屈指の発行部数、傘下のテレビは参入規制されてて無料放送。 大衆相手に集めた広告・CMを浴びせるように見せて成り立ってる所詮は営利企業が何言ったところで、「お前の口車に乗るよりマシ」。

 マスコミがファビョればファビョるほど、自民党に入れたこっちは正しいことをしたように思えてくるじゃないかwww

 選挙報道について言えば、TBSなどは筑紫哲也久米宏まで引っ張り出しての最終決戦態勢で臨んでいるように見えた。すでに張り子の虎と化している虎の子の切り札を一気に切って最後の艦隊決戦に出た、とまで言っては不謹慎か。結果、一定の視聴率はとれたようでマスコミ大本営はご満悦だったようだが、彼らマスコミ貴族の右往左往ぶりを酒のサカナに、という観客も一定数いたはず、という自己分析はおそらくできていない。事実、かつてあれだけ冴えていたように見えた久米の突っ込み芸と反射神経も、今となっては単なる無責任な茶化し、いじり、揶揄にしか見えなくなっていた。根拠のない野党信仰、与党自民党をバカにしておけば格好がつく、という薄っぺらさだけが無惨に露出していた。何より、その背後にある隠微な特権意識、かつて第三権力と呼ばれた頃のようなマスコミ貴族の自意識が、いまのこの状況では化学調味料のようないやなあと味を残すばかり。観客の舌、大衆の味覚がこのように鍛えられたことこそ、メディアリテラシーと呼ぶべきではないのか。砂のような大衆も、いつまでも愚民のままでもない、愚民のまま不用意に賢くなることもいまや十分にあり得る。ネット住民から見える世の中の見通し具合が、少なくともマスコミや評論家の不自由なご託宣よりも、少なくとも今回の選挙に関して言えば焦点が合っていた。そのことは、後の世のために記しておきたいと思う。

 まぁ、今回は小泉に勝たせていいじゃないか。

 

 個人的には8/15に靖国参拝しなかったのは死ぬほど大きな失点だが、一般人的にはそんなん大した問題じゃないわけだしw、前回選挙から失点らしい失点も無いからなぁ。

 

 逆に、民主党のナイスアシスト大杉。 誰か言ってたが、自民支持というより民主へのNO選挙な気がするぞ。民主ももっと「外交」とか見えやすいところで、国民の「情」に訴えかけるような、つまり空気を読むような戦略に切り替えた方がいい。んでイメージ向上目指した方が良い。 出来る出来ないはともかく、「毅然とした外交をやる」と言わないよりも言える方がいい。

 

 そういう態度が「空気を読むこと」。理想が無いのは困るが、餓鬼みたいに愚直に理想主義を 喚き続けるのはバカな事だと知りなさい、と。大人になってもうすこし「狡猾」になろうよ、と。イヤかもしれないが狡猾にならないと、狡猾な政党には勝てませんよ?

 

 また、自民党は勝って兜の緒を締めてくれ。キミらの議席を「育てた」のは他でもない、名も無い、 また表面的な力の無い「一般国民」なのだから。一般国民を裏切るような事だけはしてくれるなよな。国民が、「裏切られた」と感じたら、次回選挙でこの大勝への反動は大きいと心得なさい、と。

 

 しっかり国民の為に働いて欲しい。ねらーもワクドキで注視してるからねw