オボ少佐の件


1.盗作とは一種の病気であると言われていますが、なぜ盗作・剽窃を行うのか
をご解説ください。

 万引や痴漢と同様、性癖としてどうしようもない部分もあるんでしょうね。精神科や心理学なんかの専門的な見方は知らんですが、素朴に「ビョーキ」であり、しかも昨今完治しにくいものになっちまってるかも。

 自分を良く見せたい、認められたい、という意識が肥大して、自分で制御できないまま暴走しちまった状態なわけで、誰しもそういう欲は当然あるんですが、それをまわりとの関係の中で何とか落ち着かせて、理想の自分と現実の自分の折り合いをつけて生きている、それを思い知ってゆくことが「オトナになる」ことだったりするわけですよね。

 でも、それをごまかしてかいくぐりながら、それなりにまわりからスルーされたり相手されなくなったりして、自分じゃ制御できなくなった状態のまんまうっかりトシだけ食っちまった状態、ってのも昨今、増えてるんじゃないかと。

2.小保方に関しては、虚言癖というより、嘘と本当の区別がつかなくなっているようなものを感じます。こうした心理(ないしは性格)は盗作・剽窃 と何か関係があるのでしょうか?

 あまり深く考えたくもないですが(*^^*ゞ 本質的には「マジメ」ではあるんでしょうね、きっと。

 認められたい、という自分の欲にまっすぐ素直に対応しちまうくらいのマジメさ。そういう欲を抱えてる自分、ってのを認めつつ、でもそれをモロに出すのは恥ずかしいし、何よりそれはオトナとして社会的イキモノとしていけないこと、てな感覚or価値観すら凌駕しちまうくらいの「マジメ」さ加減。

 何か宗教とかマルチ商法とか、そっちにハマるならハマるでシアワセだったかも、ですが、そういう意味じゃ彼女にとっちゃ、「研究」が宗教orマルチ商法みたいな役割果たしてたんじゃないかな、と。

 で、そういう「研究」の在り方も今やうっかりそこらに転がってる、ってあたりを、それこそ理研の超一流の、これまでのマジメ一本のオヤジセンセたちはおそらく察知できなかったんだろうなあ、と。てか、ヘタすりゃ自分の娘さんたちがすでにそうなってたりするんでないかと。

 だから、小保方センセは特殊じゃないんだと思いますよ。すでに「量産型」小保方センセが、いろんな業界に実戦配備されてるはずで。「うちの小保方」とか、特集組むべきですよ、マジに。

3.背景には、文科省のドクター量産=業績という成果主義があると考えます。
その前の段階として、小保方はAO入試で入学しています。AOに関し ては賛否が分かれているところですが、先生の意見をお聞かせ下さい。

 ワセダその他一流大のAOと一緒にしちゃシバかれるでしょうが(*^^*ゞ

 でも、本質的に「競争」を避けてトクベツなボク/アテクシを「個性」として認めてくれる、しかも今の現状そのまんまで、てな欲望をうっかり承認してくれる装置として機能しちまってる面は、偏差値等関係なくあるでしょうね。

 てか、いわゆる偏差値高い大学でのAOの方がそういう面がより色濃く出ちまってるんでないかと。ワセダのAOの仕組みはよく知りませんが、彼女を合格にしちまった仕組みや面接の担当者なども含めて、検証してみるべきかも知れませんよ。

 ただ、ここ数年の傾向では、AO的な「競争」回避の入試を高校生も否定してきていて、たとえ倍率低くてもちゃんと一般入試を受けて入学したい、って子が増えてきてるようです。高校側もそういう指導に方針転換し始めてるかと。

 受験勉強だけじゃわからない才能を拾い上げる、といった趣旨で最初は始まったはずで、AO(アドミッションオフィス)が責任持って入れる、という意味では、昔からある「裏口入学」と基本変わらなかったりするわけですよね、ものさしが違うだけで。でも、それがなんか「個性」や「才能」が認められた、って意味に変換されるようになっちまったことが、ニッポンのAO入試のいまどきの不幸だったように思います。

 アメリカのアイビーリーグの名門大なんか、面接一発で入れたりするのはあたりまえだったりするんじゃなかったでしたっけか(よく知らんけど)、それこそ親の財産や血統血筋、一族係累の広がりその他ひっくるめて当人の「評価」になるという。そういうのもおおっぴらにできるなら、AO入試もまたもう少し風通しの良い、本来の意味を復権できるかも知れませんが、現状難しいでしょうね。

 まあ、現状でも、彼女みたいな「才能」(ある種の)を「発見」するフィルターにはなってたってことではあるんでしょうけど。