報道ステーション


 やい、テレ朝、てめえら古館をどうするつもりだ?!

 久米宏の後ガマという死ぬほど損な役回りを引き受ける、と聞いた時、半年以内にズダボロになるぞ、と予言した。それは、半年のたうちまわってしのぎながら突破口を見つけられれば何とかなるかも、という期待も含めてのことだったのだが、ああ、時代のめぐりあわせってのは残酷だ。1ラウンド始まったばかりでいきなり棒立ちのサンドバッグ状態、いつタオルが投げ入れられても不思議のないていたらく。「アメリカが侵攻しなかったら、今回の3人は誘拐されなかった!」ってんだから、そりゃあ世間は引くわな。これじゃNHKの視聴率があがるだけ。

 あの「意味」をひきちぎってゆくマシンガントークで鳴らした古館伊知郎というコマを、いっちょ「報道」の檜舞台で活かしてやろう、という気概は見ている限り、現場からカケラも感じられない。

 悪いことに新番組開始早々、イラクで日本人「拉致」事件が勃発した。これぞ千載一遇、ありがてえ、久米じゃ絶対できなかったやんちゃでいまどきなニュースのありようを一発切り開いてオトコ売り出すいい機会、と武者ぶるいのひとつもするべきところなのだが、事態は全く裏目。「(カメラ目線で)北風と太陽のたとえじゃないですが、太陽の輝く時はいつ来るのでしょうか…」いったい何を勘違いしているのか、こんなトロくさいコメントばっか。おい、これがほんとにあの古館かぁ?

 古館、キレろ。ムチャをやれ。かつて、プロレスの修羅場で「観客」の気分を身体ごと感知して煽りまくった、あの呼吸、あの疾走感を思い出せ。降ろされたら降ろされた時のこと、たかが落ち目のテレ朝報道、久米の半分以下に値切られたギャラで卑屈に膝を屈する義理はどこにもねえって。それができたら、「観客」はそんなあんたをきっと支持する。急げ。