『@ヒューマン』=ダメ番組確定

 ついに民営化まで言われ始めて大揺れのNHK。四月からの番組改編でもいろいろジタバタしているのが健気やら痛々しいやら。で、地上波の総合テレビでのジタバタの代表格が、この『@ヒューマン』。番宣によれば、「注目の人物、インターネットなどで情報を発信している個人、そして視聴者のみなさんと様々な方法で“つながり”、週末の夜にみんなで集まる広場のような番組でありたい。そう願っています」だそうで、ネットを介して視聴者にネタ出し頼んでおんぶにだっこ。これが噂の「メディアの双方向性」ってやつっすか、そうですか。

 マジなハナシ、深夜帯にこの手のカルチャー系教養情報バラエティをやらかすのは、かつての『YOU』以来、案外NHKの得意技だったりするはずなのだが、少なくとも今回のこれは現状、どうもアウトっぽい。

 まず、双方向を意識しすぎて視聴者に寄りすぎ。シロウトいじりもつくり手の意志やたくらみが見えないのでは、何がしたいのあんたら、でしかないし、進行を若手で固めたのはいいとして、それが何の屈託も執着もなさげな草食動物系ばかり並ぶのでは薄味この上なし。目玉のつもりか、西原理恵子を引っ張り出したのが一部で評判だったが、どだい今、珍獣扱いでサイバラデーモン小暮に声かけるのがNHKのいやらしさ。紅白歌合戦に代表されるコテコテの旧体制、毒にも薬にもならぬ「みなさまのNHK」節のがんじがらめから逃れようとジタバタしても、それが妙なアート志向、サブカルワナビーで「親方日の丸のアタシたちも、ほら、おしゃれやお笑いはできるのよ」的に鼻の穴ふくらまされると、こちとらかえって鼻白むってもんで。ぶっちゃけ、嘘でも江頭2:50鳥肌実あたりの飛び道具で一発かまそう、てなケレン味もないNHK公認文化祭など、クソ食らえ。優等生の高校デビューにつきあわされるようなこのやりきれなさを早く脱却しないと、夏を待たずにダメ番組確定だぞ。