ギョーカイ化する霞ヶ関


 タウンミーティングの「やらせ」問題、例によって野党とメディアの複合戦線で尾を曳いています。

 文部科学省ってのは霞ヶ関的にもいまひとつパッとしない役所のようで、特に最近は少子化の影響もあって本来の学校関係の仕切りがどんどん衰退、ならば生涯教育とスポーツを新たなウリに、と頑張ってみても、かのサッカーくじはお役所仕事の大コケで未だ後始末もできず、さらにここにきて教育基本法の改正、という大仕事が覆い被さり、と、このところ霞ヶ関の被害担当艦状態。そこへまた追い討ちでこの「やらせ」問題。ちと同情しないでもない。

 ただ、今回の件、数億というカネが動いていた、ということですが、さて、それを広告代理店の仕切りでやらせていた、というあたりをどうしてもっと問題にしないのか。あたしゃ疑問です。政治もまたプロモーション、ゆえに広告代理店がからんでくるのはいまどきもう珍しくもないけれども、発言者に5000円の謝礼がどうのよりも、それらの大元のカネが仕事を丸投げされた広告代理店の懐に消えていた、そっちこそが気になります。国会での答弁を聞いていても、「キックオフ」だの何だのと役人らしからぬもの言いが混じったり、いまや霞ヶ関の官僚もまた、ギョーカイのマスコミ人と同じく、広告代理店的世界観に浸食されて当事者意識を失いつつある状況が、今回の一件の最も根本に横たわっているように思います。

 ニュースキャスターは、またしたり顔で「困ったものです」とかぬかしてますが、役人たちもまたあんたらと同じ、広告代理店にキンタマ握られてるみたいなんですけど、そのへんは見て見ぬふり、ですか、そうですか。