1997-04-01から1ヶ月間の記事一覧

藤岡攻撃にみるコスプレ左翼の頽廃

先日、東京大学の安田講堂で「歴史教育討論会」という催しがあった。主催は東京大学新聞会。現場からの教育実践例を占部賢志、三橋広夫の両氏が報告した上で、さらに藤岡信勝と安井俊夫の両氏を交えて討論するという企画だった。所用があって途中から駆けつ…

「空襲」がこわかった――野坂昭如『一九四五・夏・神戸』(中公文庫)

「空襲」がどれだけこわいものだったか、という話がある。天変地異の新たなヴァリエーションとして、戦後半世紀の間、さまざまに語られてきたはずの「空襲」。 けれども、その「空襲」というひとことの向う側に、具体的にどのような暮らしの詳細があり、どの…

社会運動

「歴史」の「正しさ」について

● 八〇年代というのが何だったか、ということにこだわる性質(たち)が、どうやら僕にはあるようです。どうしてそんなにこだわるんだ、と、気心知れた友人にさえ時にあきれられるくらい、はたから見てその執着は強いものに映るらしい。 それは、自分の生まれ育…

「民主的人間」の罪

すでにご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、不肖大月、西尾幹二さんや藤岡信勝さんといった方々が呼びかけ人になって作った「新しい歴史教科書をつくる会」という会の片棒を、敢えて担がせていただいております。この四月から新たに採用された中学校の…

ヤンキーマンガの〈いま・ここ〉――古沢優『東京板橋マル走自動車教習所』

東京板橋マル走自動車教習所 1 (1) (ゴマコミックス)作者:古沢 優ゴマブックスAmazon 今、日本全国のコンビニエンスストアで売られる雑誌や文庫本、マンガ本など、いずれ「本」の形をした商品の売り上げ全部をひっくるめた額は、全国の紀伊国屋書店全ての売…

ビッグゴールド

組織のこわれかた(草稿)

*1 あまりと言えばあまりな、まるで寝小便がバレるのをビビる子供のような動燃の資料隠しの醜態を眼のあたりにして、五年ほど前に書いた原稿のこんな一節を思い出した。 〈滅亡のイメージというのがある。ある日突然やってくる最終核戦争、空を飛び交うミサ…

オンナたちの孤独――「東電OL殺人事件」をめぐって

● 「東電OL殺人事件」の語られ方は、例によってメディアの舞台にある発情をもたらしています。 だいたい、これって殺人事件ですよね。で、彼女は被害者ですよね。なのに、その犯人像の推測などはほぼそっちのけ、ただただその被害者である「彼女」の輪郭に…

SAPIO

Come On!柳美里

先月、連載の口あけで書いた柳美里サンのサイン会中止の一件に触れた原稿に対して、ご本人からきっちり因縁をつけられました。いやはや、店開き早々名誉なこってす。 抗議文の現物は今出ている『SAPIO』(小学館)に載ってますが、つまりは小林よしのり…

山上たつひこ、の復活を望む

*1● 朝日新聞が今年から始めた手塚治虫漫画賞が、ようやく第一次選考まで終わった。 選考委員が三十名という、この種の賞としては異例の多人数だったことに加えて、委員が顔を合わせて合議をせず、それぞれの推薦する作品に持ち点を配分して投票した結果を機…

西日本新聞