2001-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「なつかしさ」のプロモーション――小泉和子『昭和のくらし博物館』青木俊也『再現昭和30年代 団地2DĶの暮らし』近藤雅樹・編『大正昭和くらしの博物誌』

「なつかしさ」ってやつは商売になる――そのことに気づいている人は、商売人も含めて別にもう珍しくもない。大衆化したおたくアイテムの重要なひとつ、高度経済成長〜昭和三十年代ネタは言うに及ばず、ひと頃盛り上がってあちこちにでっちあげられてたテーマ…

民俗学入門書指南

民俗学について何か定番の本をあげて概説みたいなの、できませんかね、と言われた。当bk1ではノンフィクションの杜の担当で、このあたしの横丁も仕切ってくれている契約編集&ライター、宮島クンからだ。 そりゃまあ、いかにあたしがドキュンでも一応は民…

コミケについて

*1 「サブカルチャー、カウンターカルチャーというが、40万人も集まる場を指してサブカルと評すこと自体が間違い。70年代の幻想を引きずっているだけ」とコミケを断じる大月隆寛氏。規模はメジャーであるのに、それを認めずサブカル的であろうとするところに…

祭りの場の不思議

www.youtube.com 10人祭、のあの感じ、ああいうのが「祭り」だ、って思うのがいまどきなんだろうね。 でなきゃ、そうだな、よさこいソーランとか、ねぷたとか、そういうの。ヤンキーの身振りとかセンスとか、そういうのがここ十年から十五年くらいの間に、も…

トーシンブリザード、JDD完全制覇

www.youtube.com*1 妙に風の強い日でした。 暑いのはこのところの猛暑で珍しくもない。ただ、この風には正直、まいりました。レースの後、あがってくる馬たちを迎える厩務員や調教師たちも、まともに眼を開けてられないくらい。いや、それどころか、飛んでく…

『フォーカス』の終焉

『フォーカス』が斃れた。 写真週刊誌の代名詞のようにまで言われ、「フォーカスされる」といったもの言いまで芸能界周辺を中心に一般に使われるようになった、言うまでもない新潮社の名物雑誌。それがとうとう「休刊」を宣言して撤退を決めた。創刊以来まる…

中沢新一『フィロソフィア・ヤポニカ』

フィロソフィア・ヤポニカ 作者: 中沢新一 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2001/03 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 6回 この商品を含むブログ (18件) を見る *1 一連のオウム事件A級思想戦犯中沢新一、堂々の非転向宣言、であります。ほれ、この通…

「知られざる人生」十冊

いきなり逆説的な言い方になって申し訳ないけれども、「知られざる人生」などは、実はもうない。少なくとも、これまでのような形ではもうあり得ない。異形探し、貧乏探し、悲惨探し、逆境探し、といった陳腐化したベクトルで、それら自伝や評伝といったジャ…

「歴史教科書問題」はこう読め!

*1 ● 歴史教科書問題、ってやつは、二十世紀最後の十年、このニッポンでいちばんホットな問題のひとつだった。それはひとまず誰もが認めることだろう。 ……なあんて、もっともらしく始めちゃいましたけど、つまり世間的にもメディア的にも、これはかなりいい…

どう違うの?いままでの歴史教科書/新しい歴史教科書

歴史教科書問題、って……

すまぬ、ちみっと息切れしてた。監修(弾除け、とも言う)を引き受けていた『別冊宝島Real/腐っても「文学」?!』の最後の仕上げやら、その他、書き下ろしやらがたてこんでたもんで、ここのコラムの更新が滞っちまってたい。ひとまず、ご贔屓のみなさ…

日本という自意識

ここのところ韓国やら中国やらから、なりふり構わぬ抗議が続いていて、ただでさえ悪役になっているところへ、なおのこといらぬ注目を集めている「つくる会」教科書。まずは歴史の方がやり玉にあがりがちだけれども、公民の方も成り立ちとしては一蓮托生、こ…

日本という自意識

ここのところ韓国やら中国やらから、なりふり構わぬ抗議が続いていて、ただでさえ悪役になっているところへ、なおのこといらぬ注目を集めている「つくる会」教科書。まずは歴史の方がやり玉にあがりがちだけれども、公民の方も成り立ちとしては一蓮托生、こ…

中津問題、その後

「……わしら、ほんとにもう馬をさわれんのやなあ」 何度かお伝えしている中津競馬「廃止」がらみの補償問題について、未だ全く聞く耳を持たない鈴木一郎中津市長を上から指導してくれないか、と、農水省以下、厚生省、総務省まで含めた関係省庁に対して、直接…

CLAMP『ちょびッ』

*1 動物を擬人化して描くのはマンガのお約束。『ジャングル大帝』や『ライオンキング』のような、およそ生態系を無視した代物ができたりするが、もはやそんなもんで驚いてちゃいけない。二一世紀はパソコンまでヒトになっちゃう。 CLAMP『ちょびっッ』…

「年寄り」ということ

年寄り、ということを、最近考えるようになってます。 あたしゃ当年とって四二歳、立派に厄年ど真ん中なわけで、ゲンをかつぐ方ではないにせよ、そろそろトシのことは気にもなる。三年ほど前にちと大病をやらかして、おおげさに言えば人生観が変わるくらいの…