2001-01-01から1年間の記事一覧

日本という自意識

ここのところ韓国やら中国やらから、なりふり構わぬ抗議が続いていて、ただでさえ悪役になっているところへ、なおのこといらぬ注目を集めている「つくる会」教科書。まずは歴史の方がやり玉にあがりがちだけれども、公民の方も成り立ちとしては一蓮托生、こ…

中津問題、その後

「……わしら、ほんとにもう馬をさわれんのやなあ」 何度かお伝えしている中津競馬「廃止」がらみの補償問題について、未だ全く聞く耳を持たない鈴木一郎中津市長を上から指導してくれないか、と、農水省以下、厚生省、総務省まで含めた関係省庁に対して、直接…

CLAMP『ちょびッ』

*1 動物を擬人化して描くのはマンガのお約束。『ジャングル大帝』や『ライオンキング』のような、およそ生態系を無視した代物ができたりするが、もはやそんなもんで驚いてちゃいけない。二一世紀はパソコンまでヒトになっちゃう。 CLAMP『ちょびっッ』…

「年寄り」ということ

年寄り、ということを、最近考えるようになってます。 あたしゃ当年とって四二歳、立派に厄年ど真ん中なわけで、ゲンをかつぐ方ではないにせよ、そろそろトシのことは気にもなる。三年ほど前にちと大病をやらかして、おおげさに言えば人生観が変わるくらいの…

不良老人ノススメ

*1 完全無敵の老人学作者:和田 秀樹,大月 隆寛講談社Amazon ●隠居の終焉 人間の老い、年の取り方という観点から歴史を振り返った場合に、ひとつ注目していいと思うのは、隠居という制度です。 それは、地域によって、年代によって、農村と漁村、あるいは男女…

講談社 完全無敵の老人学

大塚英志という病い

● 今はもうなくなっちまったけれども、かつてそれなりにカッコいい場所とされてもいた池袋のスタジオ200で、何やら連続講座をやっていた時のやつの身振りを思い出す。 借りてきたようなスーツ着込んでさ、片手に役人みてえなブリーフケース抱えてさ、教室…

大揺れの中津競馬

*1 九州は大分県中津市にある中津競馬場が、いきなりの「廃止」騒動で大揺れに揺れています。 二月に鈴木一郎市長が関係者に何の説明もなく、いきなり「廃止」を表明。しかもこの六月までで開催をとりやめ、なおかつ厩舎関係者への補償は一切しない、という…

TV評・日本テレビ『恋のから騒ぎ』

www.youtube.com*1 素人をいじらせたら当代随一、ダウンタウンの一連の番組から『電波少年』シリーズで名を挙げた日テレ菅賢治プロデューサーの手間仕事だ。一八歳から三〇歳までの独身女性を一五人ばかり集めて、さんまがさばきつついじってゆくのを見せる…

中沢新一はA級思想戦犯である!

『独立書評愚連隊』*1なんてやんちゃなタイトルの本を出たおかげで、かどうかはよくわかりませんが、ぜひ書評を、なんておっちょこちょいな依頼も最近また舞い込みます。先日は『論座』から何か、と言われて、じゃあ、最近気になってた中沢新一の『フィロソ…

「郊外」のしあわせ

*1 「郊外」という物言いが一時期、ちみっとだけ流行ったことがありました。 あれは酒鬼薔薇の事件があった頃だったか、例によっていけすかない能書き野郎の学者や評論家たちが、「これは『郊外』型の意識がもたらした犯罪だ」とかなんとか、テレビや雑誌でご…

大揺れの中津競馬

九州は大分県中津市にある中津競馬場が、いきなりの「廃止」騒動で大揺れに揺れています。 二月に鈴木一郎市長が関係者に何の説明もなく、いきなり「廃止」を表明。しかもこの六月までで開催をとりやめ、なおかつ厩舎関係者への補償は一切しない、という一方…

京都の大学でひさびさに講義を……

何年ぶりかで「講義」というものをやらかす破目になりました。 大学を辞めて足かけ五年。定期的に教室に立って何かもっともらしいことをしゃべる、ということもなくなってたわけで、日常のスケジュールにそういう「講義」がはまりこんでいる頃ならば、ある種…

棄てられる競馬場――中津競馬、最期の日々

*1 「なにしろ、競馬のことをわかってもらうだけでも大変なんですよ。こういう騒ぎになってから、地元のテレビや新聞とかも取材に来てくれよるけど、せいぜい知っちょるいうても中央の競馬。地方の、それもうちらみたいな競馬場が日頃どういう仕事をしよるか…

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中津競馬、最期の戦い

「ずっとこの仕事してきよったからねえ。今でも毎日こうやって馬の顔を見に来るんよ」 地下足袋に作業ズボンという出で立ちの、とても小さなおばあさんがこう言いました。自分の担当馬はもういなくなってしまい、厩舎そのものにももう馬は二頭しか残っていな…

書評・中沢新一『フィロソフィア・ヤポニカ』草稿

フィロソフィア・ヤポニカ 作者: 中沢新一 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2001/03 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 6回 この商品を含むブログ (18件) を見る *1 一連のオウム事件A級思想戦犯中沢新一、堂々の非転向宣言、であります。ほれ、この通…

不幸の書評、てか?

前回、引っ越し先を探してる、って話をした『サンデー毎日』の連載「ハナ丸書評通信簿」(しかしこれってタイトルと中味とが全くそぐわない連載だったなあ。こんなほのぼのしたタイトルつけてあんな中味をごまかしきった担当のIさんがエラい……てか)なんで…

猪瀬直樹というキャラ

*1 ルポだのノンフィクションだのといったジャンルのもの書きが、「全集」や「著作集」だのを出したがるようになったら、ひとつもう寿命は終わり、というのが、かねがねあたしの持論であります。 というのも、ここ十年足らずの間にそういう方面の「全集」「…