2003-01-01から1年間の記事一覧

小谷真理vs.山形浩生事件(笑)、はこう読め!

*1 ああ、キモチ悪ィ。二日酔いの胃袋にバリウムをむりやり五リットルくらい流し込まれたみてえなキモチ悪さ。胸やけしまくって吐き気がとまらねえや。こうなるのがわかってたから実はこの原稿だけは、仕込みだけはずっとやりつつ、テキストにするのが剣呑で…

白装束観察顛末記――「パナウェーブ」教団騒動

● イラク戦争がニッポンのメディア界隈の大方の「期待」をものの見事に裏切って米軍の歴史的圧勝に終わってから、この四月末から五月上旬にかけて、メディアの話題は、かの「白装束教団」一色に染まりました。 メディアが連呼しているうちに、いつのまにかこ…

正論

解説 ナンシー関『雨天順延』

雨天順延―テレビ消灯時間 5 (文春文庫) 作者: ナンシー関 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2003/07 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログ (11件) を見る 今からほぼ一年前、2002年6月12日、ナンシー関は急逝した。 もはや…

バスガイドという仕事

バスガイドという仕事の「語り」って、民俗学の視点から見るとどうなるんだろう。窓の外を流れる風景が、ガイドの「語り」を補助線として全く別の意味を車中の空間に立ち上がらせてゆくわけだけど、「観光」という意味の付与された空間の立ち上がる場、とい…

阿川佐和子、という謎

阿川佐和子が謎である。つくづく謎である。謎であることを敢えてまな板にのせられることすらないほどに、その存在とキャラはいまどきのニッポンメディア界隈の正面切って指摘されない、しかしかなりに大いなる謎、なのである。「育ちの良さ」というのをここ…

別冊宝島Real まれに見るバカ女との闘い

文科系の矜持

イラク戦争が一段落ついたと思ったら、国内では白装束やらSARSやら、油断のならなさそうな騒動が次から次へと起こるおかげで、新聞やテレビにはほとんどまともにとりあげられない国立大学の独立行政法人化問題ですが、ここにきて有事法案と個人情報保護…

山田美保子という風土病

山田美保子というビョーキがある。わかりやすいんでそう名づけている。 主に「コラムニスト」と呼ばれるようなもの書き界隈の風土病。オンナがとりつかれることが多いし、症状も確認しやすいのだけれども、実はオトコにだって密かに感染してたりするからこと…

田嶋陽子、かく闘えり!(笑)

しかし、これほど世間に注目された選挙も近年、珍しかったのではないでしょうか。いや、ほんとに。 他でもない、先の統一地方選挙で神奈川県知事候補に名乗りをあげた田嶋陽子センセであります。 この御仁については、もう説明なんぞ不要でしょう。考えなし…

別冊宝島Real まれに見るバカ女の逆襲

「イラク戦争」をめぐるリテラシー

イラク戦争は、マスコミの大方の期待を裏切り米英その他連合軍の歴史的圧勝に終わった。「ベトナムのような泥沼化が」「長期戦は必至」「凄惨な市街戦が繰り広げられる」と言い続けたマスコミとその掌で口に糊する評論家や文化人たちの「定説」を裏切り、開…

麹町電網測候所 マニフェスト

*1 インターネットについて、少し本腰を入れて考えることを始めてみたい。普及してきたとは言え、未だにどこか一部のマニアや特殊な趣味の領域にとどまっているところも根深くあるこのメディアを、そろそろ陽の当たる場所できちんと検分してみることが必要だ…

動かせ!ニッポン競馬

ニッポン競馬のまわりでいま、起こりつつある未曽有の大変動。しかし、その全貌も、そしてどこへ向かっているのかも、まだよく見えてきていません。 もともと二十年ほど前から、地方競馬の現場から見上げるように、競馬と競馬を仕事として暮らす人たちのあり…

Oさん 家畜商

*1 なんだかんだ言っても馬の世界じゃ殺しってまずないんだよね。扱う額は不動産と変わらないような単位なんだけど、夜逃げしたとか監禁されたとかって聞いても、殺されたって話は聞いたことない。また殺したらカネ戻ってこないしね。 昔の道営競馬はノミが…

日高 取材メモ

馬産地も崩れてゆく

● 「詐欺じゃないか、そんなもん!」 ドスの利いた声が法廷に響きわたりました。管財人の弁護士は困惑したような表情で「詐欺かどうかということはまた別の問題になりますんで……」と苦しそうな答弁。傍聴席に座る債権者たちの中からは、「しょうないなあ」「…

田口ランディ@万引きババア、に「殺された」ライターがいた――その名は塚原尚人、そいつのことを少し話したい

そもそも、であります。 なんであたしがこの万引きババアにこんなにひっかかてるか、ってえと、まず、どうしてこんなデンパ系キチガイ物書きをここまで右へならえでみんなヨイショしちまってるのか、という、しごく素朴な疑問がひとつ。だって、さすがに最近…

ドミノ倒しがはじまった

三歳のクラシックレースの緒戦GⅠシリーズ、桜花賞も皐月賞も無事終わって、中央競馬が標準の競馬界ではいよいよ春の競馬シーズンまっさかり。芝コースの青さも日に日に濃くなっていって、競馬観戦にはいちばんいい季節の到来です。 そんな中、地方競馬では…

草ラグビーはつらいよ

*1 ラグビー人口が減り続けています。花園を狙うような高校の名門チームでさえも人数が揃わず廃部になったり、寄せ集めの合同チームを組んで何とか大会に参加するのが珍しくない。トップの社会人チームの方は、今年度から全国リーグに編成変えして心機一転、…

東京スポーツ

競馬場を「潰す」ということ――「うまやもん」solidarity

● 「いやあ、やっと話の通じる人が来たわあ」 そう言われました。型通りの挨拶と名刺交換、初対面のぎこちなさをほぐすように世間話をしてゆくうちに、陽に灼けたいかつい顔がほぐれてゆく。馬が好きで、競馬が好きで、ほんとにそれだけで長年仕事をしてきた…

アンカツ、のなしとげたもの

場外のすすけたモニターの中、アンカツが笑っていました。あのブラックジャックのようなしぶい男前のいい笑顔で、ほれ、威風堂々と。 身につけている勝負服はあの見慣れた青・胴白山形一本輪・黄袖のトレードマーク、きっと一生もんが約束だったはずの地方競…

週刊朝日 短期連載

アンカツ、のなしとげたもの

*1 場外のすすけたモニターの中、アンカツが笑っていました。あのブラックジャックのようなしぶい男前のいい笑顔で、ほれ、威風堂々と。 身につけている勝負服はあの見慣れた青・胴白山形一本輪・黄袖のトレードマーク、きっと一生もんが約束だったはずの地…

「現場」ということ

*1 ● 肩書きに「学者」とある。ああ、本を読むお仕事で、と言われる。 もちろんそうだ。しかしそれだけがすべてでもない。 情報化社会とひとくくりにされる錯綜した との現実の中では、文字はひとり文字だけで幸せに存在できるわけでもない。それが学聞と呼…

早田牧場債権者会議

「詐欺じゃないか、ゴルァ!」 ドスの利いた声が法廷に響きわたった。管財人の弁護士は困惑したような表情で「詐欺かどうかということはまた別の問題になりますんで……」と答弁。傍聴席に座る債権者たちの中からは、 「しょうないなあ」「ゼニとれんわ、こり…

『たそがれ清兵衛』・考

時代劇がいま、静かに広く、そして深く、ニッポンの同時代精神に浸透し始めています。 いまさら何を、と言われるかも知れません。けれども、嘘じゃない。小説や読み物といった活字の表現は言うに及ばず、テレビドラマからマンガや映画などに至るまで、時代劇…

正論

業界の常識――あるいは「壇」のゆくへ

「文壇」だの「論壇」だのはもうとっくに滅びてるのは自明です。「壇」に見合った共通利害も見えなければ、同志意識もすでに希薄。何より「文学」自体の権威が失墜してますから、いまどきそんなものがある、あるいはあって欲しいと思うのは、その「文壇」に…