2005-01-01から1年間の記事一覧

世の中のあらかじめ隠されているもの

世の中にはあらかじめ隠されているものがある。少なくとも、そう信じている人がいる。どうやら、通常思われているよりも結構な割合でいるらしい。 そのあらかじめ隠されているものとは、たいていの場合はカネとオンナにまつわっている。そこから先は、地球規…

ダービーの季節に

ダービーの季節も、ひと通り終わりました。 これは僕の年来の持論なんですが、ダービーはひとつじゃない。府中の東京優駿だけがダービーと思わないで欲しい、全国の競馬場の数だけダービーがあるんだから、と、機会あるごとに言ってきています。「東京ダービ…

馬事通信 競馬虚空像

ひめゆりの語りって退屈?(改稿後)

*1 この春、青山学院高校の入学試験で「ひめゆりの戦争体験談は退屈だった」という内容を含んだ英文が出されていた、というので、今になって一部のマスコミで騒ぎに。当のひめゆりの語り部や研究者がクレームをつけて地元紙経由でようやく全国報道に、という…

ひめゆりのハナシって退屈?

この春、青山学院高校の入学試験で「ひめゆりの戦争体験談は退屈だった」という内容を含んだ英文が出されていた、というので、今になって一部のマスコミで騒ぎに。当のひめゆりの語り部や研究者がクレームをつけて地元紙経由でようやく全国報道に、というの…

自虐と嫌韓――嫌韓厨・考

● *1 まず、はっきり言ってしまおう。われわれはどうやら、朝鮮人が嫌いである。 韓国人、でも、北朝鮮人、でもない。「朝鮮人」だ。北も南もない。国の違い、体制の違いを越えたところであのふたつの国は立ち居振る舞いがよく似ている。北は言わずもがな、…

「歴史」ではない、「政治」である

歴史認識の共有、が、またぞろ取り沙汰されている。民主党の岡田代表あたりが旗振りで、かの空虚な「東アジア共同体」構想と連動させようという思惑もありあり。これまでも日韓で「専門家」が雁首揃えて寄り合って何の成果もなかったことに懲りる風もない。 …

北関東の廃墟から

先日、ある雑誌の取材の先達といった役どころで、北関東の競馬場跡をまわってきました。 高崎、宇都宮、高崎という、いわゆる北関東三場ですが、言うまでもなく三場ともすでに廃止、現在は競馬場跡でしかありません。とは言え、高崎と宇都宮はそのまま場外馬…

馬事通信 競馬虚空像

三角は飛ぶ、金属ならなおさら…

三角は飛ぶ。戦時中の疎開学童に向けて柳田国男が書いた文章のタイトルにそうある。震災後の東京から、急角度な茅葺(かやぶ)き系の三角屋根がなくなってゆくことを嘆いたものだった。そう、三角は飛ぶ。実によく飛ぶ。金属ならばなおのこと、なにせ全国数…

産経新聞 断

 立ちパンダ異聞

タヌキが立ったくらいでなんでそんなに大騒ぎに? と、ひとりいぶかっていたら、あれはタヌキじゃない、レッサーパンダなんだそうである。白黒じゃないこんなレッサーパンダがニュースの主役になったのは、浅草の連続通り魔がかぶっていたファンシーな帽子以…

アラブの不幸

福山競馬が、えらいことになっています。 このところ、JRの大事故など、世間を騒がす大きな事件が立て続けに起こっていることもあり、限られた新聞の紙面やテレビの枠はそれらで手いっぱい、おかげで競馬がらみの、それも地方競馬の、さらにいまどきまだア…

馬事通信 競馬虚空像

新聞記者という紋切り型

新聞が正義だった。そこに載る記事は大人ならばとりあえず眼を通しておくべきもの、だった。だから、それを書くのが仕事の新聞記者は、きっと正義の味方だったし、後にもう少し風呂敷が大きくなりその分カタカナになったジャーナリストとなるともう、それだ…

オグリ、オグリ……  英雄、故郷へ帰る

オグリ、オグリ、オグリ……そんなに激しくもなく、熱っぽくもなく、でも、確かに数千人分、いや、正直言うとそんなもんじゃないな、それは実際の人数ではなく、その場にいる彼ら彼女らがこれまでたっぷりと吸い取ってきたかつて最も熱かった頃のニッポン競馬…

競馬最強の法則

ジャーナリズム、正義ならずや

敢えて言う。もはや「ジャーナリズム」は正義ではない。そのことを前提になお、おのれの仕事があることを、メディアの現場にある者はまず深く自覚するしかない。それ抜きの「ジャーナリズム」沙汰、ひとりよがりの正義ぶりっこなど単なるはた迷惑の勘違い。…

ハルウララに罪はないけど……

さて、皆の衆、ハルウララ、のことを、まだ覚えていらっしゃるでしょうか? 強いばかりが競馬じゃないと、いつか教えてくれた馬――なあんて言っちまうと、いかん、サトウハチローは「浅草の唄」のヘタなパロディですが、でも、思えばもうずいぶん昔から、決し…

馬事通信 競馬虚空像

大江志乃夫『明治馬券始末』

明治馬券始末 作者: 大江志乃夫 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2005/03 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (12件) を見る ニッポン競馬の歴史というのは、実は未だにほったらかし。カネにも業績にもならないから、まともに取り…

「戦国自衛隊」という記憶の大きさ

まずおさえておきたい。半村良原作『戦国自衛隊』の第一部、というか本編は、小説としてよりも、79年、あの角川映画による映画化で最も世間に広く知られるようになった。 演習中にタイムスリップに巻き込まれ、歴史に翻弄される伊庭三尉率いる一隊の物語は…

世界文化社 戦国自衛隊ムック

みんな乗り物が好きだった

みんな乗り物が好きだった。かつて男の子は、大きくなったら運転手になる、と胸を張った。電車に乗れば先頭車両、運転台のガラス窓に貼りついて運転士の身ぶりを一部始終見つめていたし、バスのシートでは靴を脱いで窓に向かってうしろむき、ずらり並んで外…

「芸人」文化人の横行

*1 意外と知られていないことらしいのだが、文化人、評論家などの中に、芸能プロダクションに所属している御仁がいる。 先鞭(せんべん)をつけたのは、確かホリプロだったか。文化人枠とかいうのを設定し、当時人気者だった栗本慎一郎などを所属タレントと…

「芸人」文化人の横行(草稿)

意外と知られていないことらしいのだが、文化人、評論家などの中に、芸能プロダクションに所属している御仁がいる。テレビや雑誌、その他マスコミへの露出が最近やたら多いな、と思ったら、疑っていい。個人事務所でもご同様。たゆまぬ「営業」の成果なのだ…

これがオレたちの競馬だぜ、と言える競馬場を

ご承知のように、競馬もまた会計年度で動いています。その意味で四月は「もうひとつの新年」。そんな中、先日、岩手県の厩舎関係者から、こんなメイルが舞い込みました。 「昨年度の競馬終了間際から、すったもんだしていた融資問題もなんとかクリアし、やっ…

馬事通信 競馬虚空像

民度は一日してならず

ご近所づきあいってのは難しい。引っ越しや夜逃げという最後の手段もあり得る個人と違い、こと国家となると、隣がストーカーだからと逃げ出すわけにもいかない。なるほど、地政学ってのは馬鹿にならない。 言うまでもなくかの半島、北も南もしょせん同胞、さ…

産経新聞「断」原稿にまたも物言い

初回に続いて、今度もまた…… 本当に面白く読みましたが、部内で大変な議論になりましたよ。まったく。 結論から申し上げると、 「国力が鼓腹撃壌に及ばぬ現状では猿に電卓叩かせるようなもの。いくら芸を仕込んだところで、道具を扱う作法や民度までおいそれ…