情況

「貧乏」は存在する

ニートだ、ワーキングプアだと、話題の「格差」をめぐってはなぜか、カタカナ言葉ばかりが飛び交います。 問題は正しく「貧乏」のはず。ただ、その「貧乏」がこれまでとは異なっている、そのことを政治家も官僚も、学者もマスコミも、誰も穏当な言葉にするこ…

「七光り」の精神史を

青島幸男が、くたばりました。 全盛時クレイジーキャッツの傑作の作詞をものした才能として最大限敬意を払いつつ、いや、だからこそ、晩節汚しまくりだったよなあ、というのが率直な感想であります。 例によってテレビ以下、表のメディアは「元東京都知事」…

身だしなみとしての「サヨク」「反日」

● 「反日マスコミ」というもの言いがある。 TBSやNHK、朝日新聞に共同通信、いわゆるマスコミの第一線で、どう見てもある一定の思想信条や立場に偏った報道をやっているとしか見えない、そんなメディアをひとくくりに言い表すのに便利なこともあって、…

「核」をめぐるタテマエの終焉

核をめぐる議論が、物議を醸しています。何も、いますぐ核武装しよう、などとは誰も言っていないはずなんですが、こと核になると、それこそ脊髄反射で「NO」を言うアレルギーは未だ根強いようです。 まあ、戦後このかた、核の問題にはとにかく触れない、ま…

靖国、異論

靖国問題、小泉8.15参拝後も、やれ分祀だなんだと、まだまだ波紋を呼びそうですが、ここはとりあえず民俗学者も、ひとつだけ口出しを。 靖国神社は「戦死」した者を祀る神社、ということになっています。「戦死」というのはつまり非業の死、普通でない死…

改めて、靖国神社

オーライ、わかった小泉。あんたは偉い。よくやった。改めてほめてやる。 「いつ行っても同じだから、最も適切と思われる今日参拝した」というタンカは、どんなに気配りしてやっても、どうせ特亜の連中とその手先みたいな野党以下、国内マスコミ、文化人、評…

ネット右翼、というサベツ

ネット右翼、という言葉があります。文字通り、もとはインターネット発のもの言いですが、最近、表のマスコミでも、若い世代の右傾化、などとセットでよく見かけるように。 いわく、格差社会で先行きに不安を抱く若者がネットの偏った意見に煽られて安易なナ…

嫌韓厨を諭す知恵

嫌韓厨が新たな朝鮮人差別を助長する、と懸念しているようです。誰が、って、小林よしのりが(笑)。 最大限好意的に解釈してみるとすれば、嫌韓厨の暴走が脊髄反射の昆虫並みの反応をデフォにしてゆくことで、何でもかんでも朝鮮人憎し、半島帰れ、といった…

天皇は「日本」を裏切り得るか?

皇室を政治の道具にするな――これは「戦後」のわれらニッポン人の大方が抱いている心情だったはずです。今の憲法からしてそういう精神のはず。とにかく現実のあれこれから超然たる場所にいてもらうことが天皇、そして皇室の存在理由だったところがある。 なの…

天皇は「日本」を裏切り得るか (草稿)

皇室を政治の道具にするな――これは「戦後」のわれらニッポン人の大方が抱いている心情だったはずです。今の憲法からしてそういう精神のはず。とにかく現実のあれこれから超然たる場所にいてもらうことが天皇、そして皇室の存在理由だったところがある。 なの…

西尾、狂った

あ~あ、ほんとうに狂っちゃったわ、こりゃ。 他でもない、西尾幹二のオッサンであります。例の「つくる会」がミもフタもない内ゲバ(でしょう、どう言いつくろっても)で四分五裂、 アタマから湯気出して絶縁状叩きつけたものの、それまでなんだかんだ言い…

「女帝」問題の陥穽

皇室の「女帝」問題について、ひとこと述べておく。 ご懐妊と期を一にしながらにわかに議論のテーマになってきた問題だが、なにせ「国民の象徴」として「戦後」を生きてきた皇室のこと、国民感情からすれば「オンナの天皇だって、もう別にいいよね。だって、…

「リベラル」考

● リベラル、というもの言いは、未だによく使われる。 進歩派とか良識派、というのはさすがにもう古色蒼然、まして自由と民主主義を正面から唱えてみせるには、昨今その対極にあったはずの社会主義や共産主義の類があまりにグズグズになり過ぎてしまった。思…

民主党偽メイル騒動顛末

さて、民主党のスカ加減を満天下にこの上なくわかりやすく示すことになった、先のあの偽メール騒動というのは、いったい何だったのか。もう一度ざっと振り返っておきたい。 発端は、西澤孝という業界でも札つきの虚言癖を持つ自称ジャーナリストが持ち回った…

天声人語は日本一?

天声人語は日本一のコラムである、と言われたらどうするか。 いや、まったくその通りです。ごめんなさい、おっしゃる通り日本一です。勝てません。勝てるわけがない。 だって、新聞紙面は第一面の下あたり、広告が並ぶそのすぐ上の横長の割り付け。字数にし…

ポピュリズム、上等

「ポピュリズム」というもの言いがあります。多くは例によっての小泉政権批判、とにかくものをちゃんと考えない世間一般のバカ……とまでは言わずとも、そういう普通の日本人、多くの人たちの気分に棹さして政治を動かそうとするやり方、といったような意味で…

セコハン、受難

かつてはセコハン、と言った。セカンドハンドの転訛だろう。ちゅうぶる、と蔑みもした。その頃は着物が主だったが、それら古着を扱う商売はケイズ買いと呼ばれた。偽系図をこさえて売りさばく商売が横行した、おそらくは幕末以来の呼び方。今やリサイクルシ…

殿軍はつらいよ

殿軍(しんがり)、というもの言いを思い出した。全軍雪崩を打って敗走中の民主党の国対委員長に、渡部恒三が登板したのを見てだ。 兵法では進むよりも退くのが一番難しい。だからそういう時に最後方、しんがりに最も百戦錬磨、武芸にも人格にも優れた将を頼…

民主党というバカ

*1 ●しかし、民主党……どうよ(笑) ○どうよも何も……もともとバカだったんですから、それが明らかになっただけじゃないですかね。 ●まあな、もともと自民党の小沢一派に旧竹下派のジジイ連、そこに旧民社党、社会党左派までくっつけた何でもありの選挙互助会…

思想としてのライブドア

● かのホリエモン=堀江貴文と、じかに話したことは数回しかない。それも記者会見だの何だのの火事場状態での立ち話程度。だもんで、あちらはこっちをちゃんと固有名詞として認識してはいないだろう。 地方競馬参入がらみの案件で、あの乙部のおねえちゃんに…

『嫌日流』について

もともと出ると言われていた金聖母(キム・ソンモ)ではなく、別人の佯病説(ヤン・ビョンソル)という人が描いたものが同じタイトル「嫌日流」で先に出回っているようですね。「佯病」ってのは仮病なりすまし、って意味だと思いますが、それはともかく。 まあ、…

「額に汗して働く」って、いまどき……

「額に汗して働く人たちが憤慨するような不正を摘発してゆきたい」――ライブドア騒動の最前線で捜査の指揮をとる東京地検特捜部長の発言だそうです。おお、よく言ってくれた、と拍手喝采する向きも結構あるようで、まあ、その程度にはわがニッポンの民心は未…

文科系の終焉について

学問は、すぐ世の中に役にたつものではないということをよく哲学者は口にするのであるが、しかしながらいくつかの需要が個々にあれば、少なくもいちばん目前のもっとも痛切な要求に答えうることを、まずもって学びとらなければならない。 ――柳田国男 ● いま…

君は「ディープコリア」を見たか?

元祖ディープコリア 作者:根本敬,湯浅学,船橋英雄 K&Bパブリッシャーズ Amazon ――この世で一番すぐれた民族である(自称)という誇り、素手でライオン、虎、熊、マムシにも勝とうと思えば勝てる(はずだ)という精神力、相手の希望を無視し踏みにじってでも…

郵政民営化陰謀論への処し方

郵政民営化はアメリカの陰謀、という議論がある。先の衆院選以降、さらにそういう声が論壇周辺で大きくなっているようにも見える。あらかじめアメリカのシナリオ通りに日本は解体されつつある、それを座視して受け入れる小泉政権はアメリカ追随、まさに「ポ…

解説 業田良家『世直し源さん』

● マンガは童話でなくてはならない――かつて、業田良家はそう言っていた。だが、その後何も言っていない。だから、ここであたしが勝手にその先をほどいてみる。 童話、と言い、寓話、と呼ぶ。あたしゃ民俗学者だからもっと端的に「民話」と言っちゃう。フォー…

2005年 衆院選アフターマス

投票率67%。二十代から三十代の自民党支持率が軒並み30%以上、調査によっては40%という数字も出ていた。そして、首都圏を始めとした大都市部での自民党ほぼ独占状態。小選挙区制のなせるわざ、とは言え、その小選挙区の導入を推進したのは、今は民…

人材枯渇深刻、サヨク/リベラル陣営

岩波書店からものすごいブックレットが出ている。題して『憲法を変えて戦争に行こう』。 憲法を変えて戦争へ行こう という世の中にしないための18人の発言 (岩波ブックレット657) 作者:井筒 和幸,木村 裕一,黒柳 徹子,辛酸 なめ子,中村 哲,半藤 一利,松本 侑…

嫌韓流、を知ってますか?

マンガ嫌韓流 作者:車輪, 山野 晋遊舎 Amazon 『嫌韓流』という本が、この夏、ベストセラーになりつつあります。 いわゆるマンガ本、ですが、週刊誌などにいったん連載されたものをまとめて単行本にした通常のコミック本という形ではなく、描きおろしの新刊…

「親方日の丸」は今も

*1 どうにも理解に苦しむのだが、この期に及んでなお、中国市場に過大な期待を寄せる向きがある。財界筋とやらには特に根強い。中国株を買え、と大はしゃぎで煽る評論家輩もいまだ懲りずに生き延びている。いかに一発勝負の好きなあたしでも、市場経済と言い…